でも、不思議なことに
扇李ならやりかねない…そう思うと、呉羽さんはハッと口を慌ててふさいだ
「あ…悪い、つい…昔を思い出して。そんなことが話したいんじゃなくてさ…」
頭をガシガシとかき、チラリと私を見て、呉羽さんは私に遠慮がちに頭を下げた
「つまり、その…悪かったよ。君を傷付けるようなことをして。未来にも言っておいた。もう君に手を出すなって…しかも未来のやつ、君に濡れ衣を被せただろ?それで扇李と喧嘩したとか…聞いた。だからごめん、なんて言っても許せないだろうげど…俺の事憎んでもいい…けど未来だけは許してやってくれ」
「………」
「未来は扇李の花嫁として優秀だったんだ。小さい頃から扇李の花嫁になるために努力した…だから未来は扇李を愛してる…その愛が君に嫉妬として向けられたのはいい迷惑だけど、ねは悪くないんだ…だからさ」
「…………」
頭を下げたまま上げようとしない呉羽さんに、私は慌てて近寄った
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