思わず視線をそらすと、あははと笑う呉羽さん
「悪い、悪い!だって今さら君に遠慮なんてする必要ないからさ」
「………っ」
「まぁ、それは置いておいて…俺は君が扇李の傍にいるのが気に入らなかったんだ。扇李は気難しいから誰かを自ら望んで傍におくなんて思ってなかったから」
両手をあげて、首をふる呉羽さん
「けど、あの宴の日…君を見る扇李をみて…絶句した。しかも俺が少し君に手を出そうとしたら俺を威圧した…覚えてるよな?」
「………」
それって…呉羽さんの手に触れようとしたけど、扇李に止められて帰るように言われた時のこと?
かなり前の記憶をだどり頷く
「あの時、分かったよ…前代未聞な出来事だって…長い付き合いの俺でさえあんな扇李は見たことがない」
「…………」
「だから、悔しくてさ…君を悲しませようって考えて、あの日…未来を利用して君を傷つけた。未来があそこまで君を痛めつけるのは予想外だけど」
肩をあげて笑う呉羽さん
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