「……っ」
サラッと軽く粗筋や飛び飛び読んだだけなのに、あまりにもその気持ちが痛いほどわかってしまい
浮かんだ涙が零れると…
「その本に感動した?」
「……え?」
本をじーと見つめる私の耳にある声が聞こえ、ゆっくり振り向くと…
「久しぶり」
「く…呉羽さん…!」
笑顔で私に向かって手をふる呉羽さんの姿に私は思わず一歩後ろに下がると、慌てて私に近付いてくる
「ちょっ…そんなに怖がるなって!…もう、何もしないから」
「…っ」
な、なにもしない?
それを信じれって言うの?私をあんなに脅して、意味の分からない事を散々口にしたのに?
「な、なにか…用ですか?」
本を胸に抱え、近付かれた距離の分だけ離れると呉羽さんな苦笑い
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