どうやって人間界の本を持って来て揃えたか不思議だけど、こんな図書館たぶん人間界にも存在しないだろう
そう考えたら、この場所は本が好きな人にとったら嬉しくて仕方がないだろうな
「………」
胸に抱えた最後の本を戻し歩きながら、本を探すと
ある本棚に題名のない赤黒い本が私の目にはいった
「…なんだろう」
手にとりそれを開いて少し中身を読めば恋愛小説だ
禁断の恋、と言うか…身分違いの恋愛の話し
思い合う男女がいるけど、お互いに素直に気持ちを伝えられなくて…
結局、男は自分の思いを隠して…違う女性と結婚をしてしまう
それでも女性は、男を愛していて何年も思い続けた…切ない片思いの物語
「なんか…」
片思いって、私に似てるな…
私が扇李を好きなのは片思いだ。だから、この小説の女性の気持ちがよく分かる
切なくて、胸がいたくて、夜も眠れないほど苦しい気持ち
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