厄介ばらい、とは違うけど
扇李がいなくなって私はホッとしてる
扇李がいきなり来ること事態予想外だったのに
あんなことを言い出すなんて…分けがわからない
嫌いなら、とことん嫌いな態度を取ればいいのに
あんな風な、中途半端な優しさが…また私の胸を強く、痛く、苦しく
締め付けるんだ――…
それから、どのくらいたっただろう
暗い部屋で規則正しい雨の音を聞きながら、ただ…扇李の事を考えて
眠れない夜を過ごしていた時だった
「おい…沙優」
「…………ぇ?」
再び背後から声が聞こえて、振り向けばそこにはまた扇李がいた
え…扇李?
ついさっきまで、いて会話をしていた彼が私に手を差し出してくる
「お前の言う葡萄はこれだろう」
そう言いながら差し出したのは、色々な種類の葡萄だ
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