「ねぇ、あんた聞いたでしょ?扇李様の本当の姿を。それを聞いても、この前みたいな態度をとれるかしら」
「………」
睨み付けながらそう言いクスリと笑う
「未来さん…」
な、なんで…未来さんがここに?
数日前のことを思いだすと、無意識に身体がビクビクしてしまい
椅子から立ち上がり呉羽さんと未来さんから視線を外す
どうして、こんなタイミングで…しかも、なんで呉羽さんと親しそうなの?
だって、未来さんは扇李の元花嫁なのに…
「…っ」
「ほら、未来のせいで怯えてるだろ」
「え?そんなの知らないわよ」
怯える私の顔を覗きこみ私の額の包帯に触れて来る
「知らないだとさ、未来に怪我をさせられたのに、酷いな」
「……っ」
触れられた所が少しズキッと痛む
「あぁ、そうだ…言い忘れたって言うか、未来が来るとは思わなかったから言わなかったけど、そのキズ、誰が犯人なんて知ってたんだよな」
「っ?」
「だけど君の反応が知りたくて聞いただけだから」
「…っ」
そ、そうなの?だから興味がないような態度を取ったんだ…
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