え…せ、扇李?
思いもしない台詞に私の胸がドクンとなる
「まさか、扇李のわけないです…よ」
扇李じゃない。だ、だって助けてくれたし、施設を守るって約束もしてくれた、だから私は花嫁になったんだ
だから、扇李が黒幕なわけがない
そんな素振りもなかったんだ
「馬鹿だな。それは扇李の計算に過ぎない」
「……ぇ」
「あいつは計算高い奴だからな、欲しいものを手にするのに犠牲は問わない」
「そう、だから残酷だって言ったでしょ?」
呉羽さんに続くように発せられた言葉にその主をみると、そこには未来さんがいた
「なんだ、未来。お前は来るなって言っただろ?また怪我をさせるきか?」
「さぁ、どうかしら…」
未来をチラリとみると、呉羽さんが私から離れて彼女は呉羽さんの腕に抱きつきながら私を見下ろす
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