――――…… その日の夜 隣りに眠る沙優を横でながめる扇李がいた 「安心して…眠るか、馬鹿が」 小さく消えそうな声で囁き扇李は沙優の頬を掠める 「好きか…言っただろう。我を好きにならなくてよいと」 「………」 「傷付くのはお前だ」 「………ん」 「………」 「…ふ」 「…………」 「沙優…お前は本当に"可哀想な花嫁"だな」 そう呟いたセリフは夜の闇に消えていった――――……… ・