「お前がそれを拒否するなら、俺はお前もこの施設の奴らも守らない」


「………っ」


「いいのか?」


そう言い、扇李の手が私の首筋を這うように撫でる

「お前が花嫁にならなければ…次はあのガキ達の首筋にあいつらの牙が食らいつくかもしれない」

「…っ!」


耳を撫でながら、その手が肩を撫で、そっと耳元でささやく


「あんながき、あいつらの手にかかったら一瞬だな」


まるで、その光景を想像させるような囁きに鳥肌がたつようだ


「や、やめてっ」


聞きたくない、そんな言葉!

「思いだせ、親をなくした時の悲しみを…それをまた味わいたいか?」


いやだ、いや、いやっ!


思い出したくない思いが溢れて、彼から離れようとしてもびくともしない


「お前には答えは二つしかない、俺の花嫁になるのが…イエスかノーか」


グイッと顎を抑えられて無理矢理に目と目があう



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