「………」
なんか、もう私は話さないほうがいいのかもしれない
話せば話すほど、扇李の機嫌を損ねてしまう
そう考えて少し寂しい気持ちを抱えながら、ベッドに横になり布団を被ると
ふわふわのベッドに扇李の香りが私をつつむ
なんだろう…なんか
私の部屋とさほど変わらない部屋で、同じようなベッドで今まで一人で寝ていたから寂しくないはずなのに
同じ部屋に扇李がいて、扇李の香りがする布団に包まれてるのに、肝心の扇李はソファーにいる
それが、なんか寂しくて仕方がなくて…
「…あの、扇李」
「おい」
「?」
懲りずに名前を呼ぶと、再びバサッと身体を起こす
「…ぇ」
「分かった」
分かった?な、なにが?
布団を被りながら扇李をみると、ソファーから立ち上がり私に近づいて来る
「ちょ、ちょ…扇李?」
「沙優、お前はそーやって我を焦らしてるんだろ?それが人間界のプレイなのか?あ?」
「え?」
いや、じらしてなんかっ!
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