それで、一時間くらいしたころだろうか
左汰とサイさんが戻ってきて、やっとのことで説得したんだろう
酷く疲れた顔をして戻って来たのだ
それで、それで…
夜になって、強引に扇李の部屋に連れて来られたのはいいけど
「………」
「……………」
嬉しいことに、お昼の機嫌の悪さはどこにもなく
普通、なんだけど…
「…」
私は、平然としてられない。
「わ、私のことはいいから扇李は早く寝なよ」
ソファーに座りながら、そう言い扇李に背中を向ける
そうだよ、よく考えれば良かったんだ
扇李の部屋で過ごすと言うことは、二人きりって意味に
あの時はそれ以外のことが頭をしめていて、二人きりとかなんとも思わなかった
冷静にそこまで考えなかった私は馬鹿だ。
それに、二人きりで…しかも密室でベッドが一つ…当たり前の話しなんだけど、そのことに意識し過ぎて私はソファーから動けない
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