「だが、一つだけ言える事がある。あの襲ってきたトラも神だ」


「…っ」


「その印をもつ者を自らの花嫁にするため、こらから先、今みたいに襲われることは増える…今のは威嚇だったが、お前を奪うためなら、次はどうなるか分からない」


「………」

「今以上に危険な目にあう。命を失うかもしれない」


「………っ」

「神は人間が思うより残酷だ…ここを守りたいなら残された道は一つしかない」


それは…


「私がここから、いなくなれば、いいんですか?」


「………」

そうしなくちゃ…みんなが傷つくかもしれないの?そんなのっ


「嫌か?」


「嫌に決まってるじゃないですか!」

「………」


「あなたも知ってるじゃない!私には親もいないの!私にはここを出たら行く場所もない、何もかも…無くしちゃう…っ…やっと見つけた…私の居場所なんだからっ!」



答えなんか、すぐに出るわけがない


いきなり花嫁の資格があって、私を奪うために命を狙われる

だから、今すぐにここから消えろだなんて…どうしたらいいか、わからない!


押し寄せる色んな気持ちが溢れて…視界が歪んだ時だった―…












「誰が、ここを出るのが残された道だと言った?」


「…………っ」


微笑みを含む声が私を捕らえる



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