「うん…まぁ、私はただそう感じるってだけだけど…」



「いや、それでよい」


「でも、少し羨ましいよ。そんなに誰かに愛されるなんて」



私には、もう無理な願いだ。だって、私と扇李がそんな風にお互いを思うことはないから



「そんなに羨ましいか」

「そりゃ…女なら、もちろん」


「そうか…我には無理だな。理解出来ない。何回も言うが沙優は嫌いではない、だが愛することはない」


「………」


ハッキリと、視線をそらさず言う言葉に胸が少しだけチクリと痛み、それを悟られないように私も彼を見る


そんなの…

「わかってる」


てか、私だって同じ事考えたし。もともと、そーゆう契約だもん


「わかってるか、少しは残念がれ」

「残念じゃないから」


扇李から顔をそらすと、鼻で笑いながら、また目を閉じる


そんな扇李の顔を盗みて、私の胸が痛いのはなんでだろう