そんな扇李に、私はなんて言えばいいんだろう…

同意?反対?わからない?



「…そう、だな…」


扇李の頭にそっと触れると、嫌ではないのか、彼はうっすらと目を閉じていく


なんて言えば、いいか。上手く伝わるかはわからないけど、私は扇李の話しを聞いて…




「馬鹿で愚かだったのかもしれないね」


「………」


髪の毛をクルクルと絡め取ると、扇李の眉がピクリと動く



「だけど、きっと彼はその恋人を凄く愛してたんだろうね…王になれる力を持っていたのに、それを選ばないで恋人を選んだ。それはきっと扇李が言った通り馬鹿で愚かだったから、出来た事だと思う」


「…………」


「何もかも犠牲にして、どちらかを選ぶなんて勇気がいることだと思う。きっと愛していて、守りたくて、彼にとっては彼女が一番だったんだね。そーゆう相手に出逢えるって奇跡に近いと思う」


「……」


まぁ、少しだけ誰かさんに似て、少し自分勝手だけど…


「……」


私が言い終わると、扇李は目をあげて私を下から見上げる



「そうか」

「……………」

「確かに、沙優の言う通り馬鹿で愚かだったから恋人を選んだんだな」