狼様の愛のカタチ理論





茶色い本にローマ字に類似した文字でタイトルが『Wasu』と少しかすれたような、色褪せた字で書かれてる


もう…そんなに私に本を読みたいの?


「………」


何を企んでるかわからない。だけど、また抵抗したら何をされるか、何を言われるかわからないから


なかば諦めて、彼の手元をみつめる



「わすって…タイトルなの?」


「あぁ」

表紙をなぞり、綺麗な手先で表紙をめくるとみた事のない文字がびっしりとならんでる


「え、なにこの文字」



頭にハテナが浮かんで扇李をみると、その字を指でなぞる


「この本は、2000年前の天界の昔話しなんだ。文字はその当時のものだ」


「そんなに昔の?」


「あぁ、九条家に代々受け継げられてるおとぎ話のような書物だがな」


おとぎ話か…。シンデレラとか白雪姫とかそーゆう類い物が頭に浮かぶ