なんで、扇李がいるの?
この間と同じく長い赤髪に袴姿の扇李
「ど、どうして…」
あれから、もう二度と会うと思ってなかった扇李
彼を見ると、私を一瞬だけみてから直ぐにトラ達に視線を向ける
「お前ら、誰の差し金だ」
扇李の言葉にトラ達を顔を見合わせ、口元を動かして、なにやら話しているみたいだ
「戯れ言を言うな、今すぐに去れ、ここはお前らが来るような所ではない」
ビシッと窓の外を指差すと、トラ達は彼の言う通りに開いてる窓から次々に出ていってしまった
「………っ」
事の一部始終をみていた私はホッと安心するも、かなり混乱している
トラがいただけでもびっくりなのに、普通に何か会話をしていた扇李
か、神様って動物とも会話できるの?
わけがわからなくて、ただ唖然としていると
手を顎に添えながら、扇李は私を見下ろす
「なんだ、助けてやったのに感謝の言葉もなしか」
「………っ」
「哀れな女だ、助ける価値などなかったか」
チッと軽く舌打ちをして扇李は私から視線をそらすと黙ったまま私の目の前に立つ
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