あ、まずい…
扇李と契約をして花嫁になっただなんて右汰にばれるわけにはいかない
ばれたら、花嫁でいられないし、そしたら皆を守れない
『いや…なにも』
『そうか?ならいい、あ、だけど…今俺が言った事は誰にも言うな』
『う、うん』
『それが事実か嘘か、どっちにしても広まったら、沙優の立場はない。だから左汰にも言うな』
右汰にうなずく
『サイさんにもだ』
『分かった…』
そう言うと、安心したように私から離れる右汰
『まぁ、沙優はあまり心配するな、何か分かったら言うから』
『うん、有り難う』
その時、私は素直に頷いたんだけど
やっぱり、日がたつにつれ"可哀想な花嫁"の意味は気になる一方だった―…
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