――――……
『沙優、少し話しがある』
『?』
そう言われて、二人だけの部屋のなか右汰に近づくと彼は少し言葉に詰まりながらも口を開く
『沙優、あの日襲って来たトラのこと覚えてるか?』
『あ、うん』
それは、もちろん。あのトラ達は前にも襲って来たから…忘れるわけがない
『あいつら、お前が逃げてからおかしな事を言ってたんだ』
『え?』
『沙優のことを"可哀想な花嫁"そう呼んだ』
可哀想な、花嫁?私のことを?
『え、なにそれ』
『それは俺にも分からねぇ。だが、あいつらがそう呼んだのは事実だ』
そう言うと、右汰は周りをキョロキョロと見渡し私に顔を近づける
『お前、もしかして扇李と何かあるのか?』
『…っ』
右汰の怪しむような言動に胸がなる
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