「私ね、もう右汰に対して"ごめん"って言わない」
「え?」
「左汰、私に言ったじゃん?右汰の思いを理解しろって」
「…はぃ」
「右汰の思いをね、自分が同じ立場だったらって考えたの」
扇李に言われて、自分ならって…
ううん、自分ならって言うより、私も彼と契約をして花嫁になった。皆を守りたかったから
自分のことよりも、皆の幸せを願った。だから…
「私なら、笑って欲しいな…って」
私がそう言うと、伏せ目がちだった瞳が私とぶつかった
「右汰は私を命がけで守ってくれた、あれが本気だったのはよく分かる」
普段呼ばない名前を呼んで怒ったり、勝ち目のない戦いをした
私のために―…
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