あれ、本当だ…
痛みなんて全く感じなかったから気づかなかった
「よく、私でも分からないような所を扇李は分かりましたね」
「それは、香りのせいです」
「…香り?」
「はい」
"失礼致します"と呟き私の腕にふれながら、用意した液体で消毒をしていく
「人間の血は神とは匂いが異なるんです。と、言いましてもその匂いを判断出来るのは狼一族と犬神一族の鼻の聞いた者だけですが」
「……」
「そのわずかな、血の匂いを判断したのでしょう」
消毒を終わらせて、ぐるぐると腕に包帯が巻かれる
匂いで、判断…か
じゃあ、昨日の夜にわかって朝になったらサイさんに手当てをするように頼んだんだ
もう、また感謝することが増えちゃった
「ありがとうございます、サイさん」
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