――――……





「みんなー、アップルパイ出来たよー」


あれから数日


扇李が言うみたいに、施設に変わった事は起きてない

子供達が喧嘩をすることがあっても平和に毎日を過ごしていた


そして、院長様とはあれから扇李のことは話してない


と、言うか思いだしたくもない

そんな気持ちから私はあの事を記憶から消すことにしたのだ


それで、買ったりんごがもったいないから夕食のデザートにアップルパイを作った



「おいしー!」

「うん!!」


沢山あるアップルパイをフォークで必死に食べながらそんな事を言う


「ほら、ほっぺにくっついてるよ」


隣で食べる卓也くんの頬をさわるとニコッと笑いながらまた食べ始める


やっぱり子供って可愛いな…

そう思い、キッチンの片付けをしながら子供たちをみていると


「沙優?」


「?」


食堂のドアをあけて手招きをする院長様



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