なにそれ
そんなことも言われたら私が気になっちゃう
「あの「沙優」」
「?」
「悪いことは言わない。お前、あの施設を出たほうがいい」
「え?」
真っ直ぐな瞳が私を捕らえる
「じゃないと、失う事になる」
な、なにそれ
「は、はは…」
また、冗談だって言うつもり?
「冗談は止めてくださいよ…っ」
「冗談?そう思うならいい」
「っ」
「お前は"資格"を持っている…お前のせいで大事なものを無くす前にこの町から消えろ」
今までと違う瞳で扇李は私にそう言う
消えろ?あの町から?施設の皆の前から?
「そんなこと、できません!!」
あそこは、私の場所なんだ
親をなくしてから、やっとみつけた私の居場所
って、言うか、なんでいきなりそんな話しになるわけ?意味がわからない
神様だからって、何を言っても許されるわけじゃない!
この人…神様だけど、大嫌い
私の場所を奪おうとする扇李なんか嫌いだ
怒りからか、目の前の神を睨み付けると鼻で笑う
「我を…そのような目で見るのか」
「っ!」
「愚かな女だ。この俺が人間に忠告をしてやるなんてないことだ」
馬鹿な女
そう言いたそうな顔をして扇李は私に近寄り荒々しく顎を掴む
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