いかにも、神様って感じの名前だ


「えっと、その…」


「髪の毛のことなら、前は人間に近い姿になっていただけだ」

「え?あ…はい」


また、読まれてしまった…


そ、そっか…そんなことも出来るんだ…神様は


変に納得しているとパタッとすぐに本を閉じてしまう


「我もお前に聞きたい事がある」

「?」

私に聞きたいこと?神様が?


「はい、なんですか?」

「首の傷」

「……」

「それはどうした?」


首の傷、扇李が発した言葉に私は息を飲む


実は私の耳寄り後ろの首筋に何かに引っ掛かれたような“ד印がある

一見、すぐに治りそうなのになぜだか治らない傷


「これは、その、いつからあったのか分からなくて」


「?」


幼稚園を卒業するときまでは無かった

両親もそう言っていたし、なにかに引っ掛かれた記憶もない


いつのまにか、あった…分からないうちに


「あの、この傷がなにか関係あるんですか?」


「いや、ただ…この間触った時に見えたから気になっただけだ」


そう言うと、立ち上がり祠のほうに向かって歩いて行ってしまう



.