その仕草に扇李は表情をかえないまま呉羽をみる




『呉羽…』


『…あ…けど、もう一つあった』


手をポン!と叩き、扇李をみたけど、すぐにその顔が元に戻ってしまう




『いや、だが、これはないな。意味分かるだろ?』


『………』

















『な?扇李』


『あぁ』




そうお互いに目を合わせたのは、今から何年間も前の話だった―…