な、なんで?
さっきまで、私と普通に話していた扇李とはまるで別人みたいな彼
最初に出会った時と、王の間であった時、私を無理矢理抱いた時と同じような瞳
ううん、それ以上に怖い。殺気が扇李のオーラ全体を包み込んでる
「…」
なんで、そんな目で呉羽さんを睨むの?
チラッと呉羽さんを見れば、負けじと笑顔で扇李をみつめ、さらに口元をつり上げて笑う
「はは、嫌だな扇李。今のは、ほんの挨拶だよ。冗談」
「…………」
「人間は美味しいからさ、扇李の新しい花嫁はどうかなってね。てか、前は味見させてくれたのに、今回は駄目なんだね」
その場所で立ち上がり、膝についたごみをはらい、それでも口を開こうとしない扇李をあきれたような顔でみる
「あー、なに?扇李まじでおこってんの?」
「…」
「別に、今はお前が思うようなことはしないって。ま、あくまでも"今は"だけど」
黒髪をすくい、扇李に挑発的な視線をぶつけると、彼が突然私に視線を合わせる
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