「お前、そんな事もしらねぇで扇李の花嫁に立候補したのかよ!」
「え?り…立候補?」
立候補って、わたしが??
「右汰、沙優様は立候補した花嫁じゃない」
「はぁ?」
「サイさんが言っていた、彼女は扇李が人間界で自ら選んだ花嫁だと」
「は?ま、マジかよ!お前、立候補じゃねぇのかよ!」
私の方をみて、"ありえない"そう言いながら呆然と私を見続ける
「は…はぃ?」
そんなに驚くことなの?と、言うか立候補ってなに?
神様の花嫁に立候補なんて出来るの?
「なんだよ、それ…あの扇李に限って…いや、待てよ。だからアイツは早くに抱いたのか?」
そう言い、右汰さんが頭を片手で押さえながら、しゃがみ込む
「そうか、通りで可笑しいと思った。立候補する女なら神にしろ人間にしろ容姿は完璧のはずだ…だけど、こいつは違う。そう考えると、それは事実じゃねぇか!」
「さっきから言っている」
「いやいや!つか、左汰!なんでそんな大事な事を黙ってたんだよ!」
「聞かれなかったから」
「そうじゃねぇだろ!!そのマイペースなのいい加減直せ!」
「あー…またうるさいのが始まった」
「………………」
嫌そうな顔をして、右汰さんを無視しながら左汰さんが私に近付いて来る
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