狼様の愛のカタチ理論








やんちゃな顔が真剣になり微かに眉間にシワを寄せて、私を見つめてくる


「…な…なん…ですか?」


なに、こ、この目


まるで、怒りを含んだ目付きに私から冷や汗が流れる


「へぇ、なるほどな」


「な、なるほど?」


なにが、なるほどなの?


「お前、扇李に抱かれたな」

「…………え?」


右汰さんの言葉に、ドクンと胸がなる


なんで、なんで、なんで知ってるの!?


目を見開いて、唖然とするわたしに右汰さんは呆れたような顔



「やっぱり。お前から扇李の嫌な匂いがプンプンする」


そう言うと、嫌そうに鼻をつまみ私からあからさまに距離をとる


扇李の匂い?


そう言われ服をかぐけど、匂いなんてしない


と、言うか…これはサイさんが持って来てくれた服だ。そんな匂いするわけがない

「………」


「あーあ、なんだよ。扇李にしては喰うのが早かったじゃねぇか」


「過去、最速記録」


「まじかよ…あー嫌だわ。この匂い、当分消えねぇぞ」

「気にしなければいいことだ」


「嫌!無理だろ!!ただでさえ、俺達は鼻がいいんだからよ!」

「だから、それを気にするなってことだ」


「あー…そうかい、そうかい!って、それが無理だってんだよ!」


私を完璧に置いてきぼりで二人で話す彼ら




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