そんな…
「さ、沙優様…そんな顔をなさらないで下さい」
慌てたように、私の背中に触れて、必死に言葉を続ける
「この二人は、代々王の花嫁につかえる犬神一族の者なんです」
「…………」
「彼らの親も現王である扇李の母君につかえていました。これは、もう決まってしまってる事なんです」
「………っ」
「さぁ、顔をあげて彼らをみてあげて下さい」
サイさんのそんな真剣な言葉に私はそっと二人をみる
決まりだなんて…私はサイさんがいいのに…
だけど、我が儘は言えない…
そう思いながらも、二人を見ると両方とも私から全く目を離さない
切れ長く、鮮やかな肌色の肌にエメラルドグリーンの瞳
耳にはリングのピアスを二つつけて、両方とも左右に泣きほくろがあり、やっぱり凄く格好いい顔だ
たぶん、この二人は双子だ。顔が全く同じだから
けど、顔は同じなのに、片方は胸下まである銀色の髪の毛を緩く横で結び、黒いジーパンに白いワイシャツを来て黒いネクタイを緩く結んでる
少し落ち着いたような冷めた雰囲気…
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