それから、あたしは渋々片瀬君と並んで歩いている。
……誰かに見られたらと警戒し、辺りを見回しながら。
「そんなキョロキョロすんなよ。犬じゃあるまいし。」
い、犬……
あたしは危険から逃れる為に行った行動なのに…犬と表現されてしまった。
「……すみません。」
って謝るしかないよね。
それを見た片瀬君はフッと笑いこう言った。
「なんか、歩多羽って…あまり話す機会がないし、よく考えてみれば話すのなんて今日が初めてだよな。」
「ま、まぁ……」
今日でかなりの接触がありましたね。
本当、今日は何かと忙しかったなぁ。
「それに、挨拶だってあんた無愛想だし…俺、嫌われてる?とか思った。」
無愛想って…片瀬君だけには言われたくないな…。
でもそれは片瀬君とあまり話したことないし、明るく振る舞うと馴れ馴れしいかなって思っただけなんだよね。

