『仰せのままに、お嬢様』《完》

きっとあたしの顔は、
林檎よりも真っ赤。

体もポッポと熱い気がする
けど、この熱、楓さんまで
伝わってないんだろうか。


気が遠くなりそうなほど
ドキドキしてるあたしを
引いて、楓さんは人波を
縫うように歩いていく。


「間もなくお昼時で
ございますね。

まずは昼食にいたしましょう」


そう言って、楓さんは辺りを
見回して入れそうなお店を
探してるみたいだった。


「――あちらにいたしましょう」


楓さんが示すのは、一軒の
白い外壁がお洒落なカフェ。


あたしは何を考える余裕も
なく、連れられるまま一緒に
中に入った。


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