『仰せのままに、お嬢様』《完》

「えっ、あ、ちょっと……!」


先にたって部屋を出た楓さんに、
あたしは慌ててついて行った。


パパ、ママ、朝子さんの
一家総出で見送られて、
玄関を出る。


両サイドを植木に囲まれた
前庭の道を進んでると、
前方から幹生君がやって
来るのが見えた。


あたしが気づくのとほぼ
同時にこちらに気づいた
幹生君は、楓さんを見ると
ギョッと目を見開いて、


「えっ? あれっ?
こないだの執事さん!?」


「おはようございます、鴨井様。

庭木の手入れで
ございましょうか」


「ええ、はい。

月頭の雪とその後の長雨で、
何本か枝が傷んだのがあるから」


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