――とはいえ、“楓”って
呼ぶのは極力避けちゃうし、
心の中ではまださん付けで
呼んでるけどね。


男の人をサラッと呼び捨て
なんて、そう簡単には出来る
ようにならないもん……。



――そんな、楓さんを
迎えてから三度目の日曜日。


朝食を終えてパパとママ、
三人でリビングでくつろいで
たら、今日もきちんと
見だしなみを整えた楓さんが
颯爽と入ってきた。


「おはようございます」


「おお、おはよう楓君。

毎日よくやってくれて
助かってるよ」


笑顔で言うパパに、楓さんは
首を横に振って、


「とんでもございません。

当然の務めでございます」


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