『仰せのままに、お嬢様』《完》

「へぇ……。

楓さんは、どうやって
執事になったんですか?」


「香奈枝っ」


さすがにズケズケ聞き過ぎ
だと思って、袖を引いて
呼び止める。


ちょうどその時、信号で
車が停止した。


楓さんが手はハンドルに
添えたまま、クルリと振り返る。


咎められるかと思ったけど、
これまた予想に反した
穏やかな顔で、


「私は大学を出た後、英国に
渡り、あちらの執事養成
学校で学びました。

首席で卒業後、とある名家の
執事となったのですが、
不慮の事故で一家が没落し……

次の行く先を案じていたおりに
日本から旦那様に声をかけて
頂き、帰国した次第で
ございます」


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