『仰せのままに、お嬢様』《完》

「え? そ、それは……」


つまり、“タメ口”で
話せってこと?


「でっ、でも見ず知らずの
人にそんなっ」


「ですから、見ず知らず
ではございません。

呼び方も、“さん”を
付けて頂かずともけっこうです」


「えぇぇっ!?」


“さん”をとったら、“楓”に
なるじゃないですかぁっ!?


「そ、そんなこと……
できそうに、ありません」


ギクシャクした声でそう
言ったら、楓さんは少しだけ
残念そうな声になって、


「ですが、昨日庭師の
鴨井様とは普通にお話を
しておいででした」


「幹生君は……あの人は
昔からうちに出入りしていて、
もう家族みたいな存在ですから」


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