『仰せのままに、お嬢様』《完》

(うぅ……窮屈っ)


こんなに広い車内なのに、
この圧迫感は何?

男の人と二人の空間って、
どうしてこんなに息苦しいの?
酸素の減りが早いのかな。


「――リリカ様」


「は、はい?」


運転席から飛んできた
落ち着いた声に、真逆の
上擦った声で返事すると、


「ひとつ気になっている
ことがあるのですが。

申し上げても
よろしいでしょうか?」


「えっ? な、何ですか……?」


「リリカ様の、そのお言葉
遣いでございます。

私は執事でございますので、
敬語を使って頂く必要は
ございません。

よろしければ、もっと
屈託なく接して頂ければと」


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