『仰せのままに、お嬢様』《完》

「お許し下さい」


もう一度そう言いながら、
彼はそっと、あたしの頬に
触れる――…。


「かか、か、楓っ……!?」


何してるの!? 
熱なら無いって、さっき
確認したばっかりだと
思うんだけどっ!?


「申し訳ございません。

ですが、確かめたかったのです。

リリカ様……何か、私に
お話なさりたいことが
あるのではございませんか?」


「えっ!?」


ギョッとして思わず後ろに
身じろぎしてしまった。


話というか、香奈枝に
『話せ』と言われたこと
ならある。

でもそれは、あたし自身は
まだ言うべきかどうか
わかってなくて――…。


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