『仰せのままに、お嬢様』《完》

     ☆☆☆☆☆



「…………無理ですから……」


楓が運転する、静かな車内。


無意識のうちにポソッと
呟いた声は楓にも聞こえた
みたいで、いつもどおりの
穏やかな声が飛んできた。


「何かおっしゃいましたか?」


「!!? いいい言って
ませんよ何もっ!!」


「……………。

リリカ様。ご様子が少々
おかしいようですが?」


「そそそそそんなことは
ありませんよっ!!」


なぜに敬語? そして
どもりすぎ。

全然、何でもなくはない。


だけどムリ。

一度意識したら、もうダメだ。


(恥ずかしくて、普通にすら
してられないよぉ~っ)


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