『仰せのままに、お嬢様』《完》

「い、愛っ――…!?」


ボッと、火がついたように
体の熱さが増した気がした。

どうしよう。汗、かいてきそう。
心臓も、バクバク音をたててる。


楓はそんなあたしを落ち
着かせるように、今度は
あたしの髪を撫でた。


後頭部の辺りを、大きな掌で
包むように。優しく、何度も。


「リリカ様は男性恐怖症で
いらしたはずですのに。

目覚める少し前から、声が
聞こえておりました。
見ず知らずの男性に、自分
から積極的に……。

それほどまでに、私の身を
案じて下さったということで
ございますね」


「あ……………!」


言われてハッとする。


_