『仰せのままに、お嬢様』《完》

「リリカ様――そのお言葉、
後で後悔はなさいませんか?」


――え? 何言ってるの。
後悔なんて、するわけないのに。


「しないよ。絶対」


即答すると、楓はなおも
真面目な顔つきで、


「私がどれほど執事にある
まじき振る舞いを致しましても、
今だけはご容赦頂けますか?」


「許すよ。だからそんなの、
気にしなくっていいんだってば」


じれったくそう答えた、
次の瞬間。


――ふわりと風が起こって、
気づくとあたしは、長くて
しなやかな楓の腕に
包まれていた。


「―――――!? か、楓っ!?」


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