『仰せのままに、お嬢様』《完》

あたしはとっさに口を
開いていた。


――そんな顔しないで、楓。
だってそんな必要は、
これっぽっちもないんだから。


「いいじゃない、嬉しい
って思ったって!

それでいいんだよ。楓の
正直な気持ち、もっと聞かせて?

その方が、あたしも嬉しい」


「リリカ様――」


楓が顔をあげ、目を見張って
あたしを見る。

あたしは微笑んで続けた。


「執事として、とかだけ
じゃなくて。普通の楓が
どう感じてるかを、あたしも
知りたいの」


これは本当。


あたし、もっともっと楓の
ことを知りたいよ。


“執事”じゃなくて。

ただの“四堂楓”としての、
あなたの素顔を。


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