『仰せのままに、お嬢様』《完》

「――私は、執事失格で
ございますね」


「えっ!?」


思ってもない言葉に
ギョッとなる。


執事失格って、どういうこと!?


「何言ってるの。だって
今回のは、楓の責任なんか
じゃ――」


「……そうかもしれません。

ですが、こんなにリリカ様を
泣かせてしまっていては……」


「こっ、これは嬉し涙だよっ!?」


あたしは焦りまくって、
両手で楓の掌を引きはがし
ゴシゴシと涙を拭いた。


「ほ、ほらっ。もう大丈夫だよ!
もう泣いてないからっ」


だから冗談でも、執事失格
とか言わないで欲しい。


あたしはそんなこと全然
思ってない。

楓はあたしにとって、
最高の執事なんだから。


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