『仰せのままに、お嬢様』《完》

「よかった――無事で」


あぁ、もうダメだな。

熱い雫が、後から後から
止まらない。

こんなんじゃ、楓の顔も
見れなくなっちゃうのに。


「申し訳ございません。

私がいつもお側でリリカ様を
お守りすると、申して
おりましたのに。

あなた様を一人にし、
危険な目に逢わせ。

そうして、こんなに
泣かせてしまっている……」


楓が掌をピタリとあたしの
頬に添える。あっという間に、
その手も涙で濡れてしまった。


降りてくる沈黙。

あたしは楓と視線を絡み
合わせたまま、トクトクと
鳴る自分の鼓動を感じてた。


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