『仰せのままに、お嬢様』《完》

「楓っ!!」


あたしはしゃがみ込み、
夢中で楓に顔を近づけた。


「大丈夫っ? どこか痛くない!?

記憶はハッキリしてる!?」


「ええ、大丈夫です。さすがに
よい目覚めとは言えませんが、
これといった変わりは
ございませんよ」


「よかった――!」


全身から一気に力が抜けて
ベッドに両手をついたあたしを
見ながら、楓はゆっくりと
上半身を起こした。


あたし、幹生君。そして
近づいてきたマリーノさんを
順に見て、最後にマリーノ
さんに言う。


「私も油断しておりました。

まさか薬を飲まされるとは
思っておりませんでしたので」


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