『仰せのままに、お嬢様』《完》

「あっちですね!?」


マスターが指を指してるのは、
店の前の通りの向かって左側。


「帰り道の方向だね。
楓さんは、屋敷に戻ろうと
してたのかな……」


「わからないけど――
とりあえず、帰り道を
歩いてみよう」


その道中で何かが起こったの
なら、痕跡が残ってるかも
しれない。


あたしと幹生君は店を出て、
示された方向へと歩き始めた。


この通りは、他にもいくつかの
路面店が点在してる。

昨日の夜でも開いてたと
思われる店に、順番に楓を
見ていないかを聞いてまわった。


だけど楓を見たという人は、
誰もいなくて――…。


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