『仰せのままに、お嬢様』《完》

バイトのウェイトレスは
昨日とは別の人だったけど、
それほど広くない店で、
幸いマスターが楓のことを
覚えてた。


マスターの話によると、楓は
正装した別の男の人二人と、
ボックス席で向かい合って
話をしていた。


内容まではわからないけれど、
何か深刻な様子だったらしい。


「相手は二人……?」


遼人さんかもという疑い
からは思いがけない言葉に、
あたしは用意しておいた
遼人さんの写真を見せてみる。


30代くらいのクールな感じの
マスターは、それを見ると
ちょっと眉を寄せて、


「いや……これは違うね。
相手は二人とも、もっと
歳のいった男だったよ。
40代くらいかな」


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