『仰せのままに、お嬢様』《完》

「――――――!!」


遼人は何も答えず、ただ
怒りのこもった瞳で楓を
睨み、ゴクリと息を飲んだ
だけだった。


張り詰めた空気の中、楓は
最後にもう一度、静かな
気迫を感じさせる声で
『お願い致します』と言い――

そして、そっと遼人の手を離す。


支えを失った手はダラリと
下に落ち、新たな攻撃が
繰り出される気配は皆無だった。


楓は最後に礼儀正しく一礼し、
打って変わった穏やかな
声で言った。


「玄関までお見送り
いたしましょう。

さあ、どうぞこちらへ」





     ☆☆☆☆☆


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