『仰せのままに、お嬢様』《完》

「なっ…………」


「久賀フーズの経営の立て直し。
それこそが、本来の目的
ではないかと――私は、
そう考えております」


「――ち、違う!」


なかば条件反射のように、
遼人は叫んだ。

しかしその態度に、普段は
ある余裕は見受けられない。


(やはり、間違いなかったか)


「――あなたは、リリカ様を
利用しようとされている。

本当に、心から彼女を
愛してはおられない」


楓は一歩踏み出し、
遼人との距離を詰めた。


遼人は眉間にシワを寄せ、
敵意を剥き出しにした目で
楓を睨みつける。


余計なことはするな、邪魔は
するなと考えているのが、
手に取るようにわかった。


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