『仰せのままに、お嬢様』《完》

「あなた様は、昔から
リリカ様に好意を寄せて
いらっしゃるとのことでした。
それは、嘘ではなかったの
かもしれません。

しかし大人になられた今、
縁談を望むほど彼女を愛して
いらっしゃるとは思えません」


例えどんな性格でも、相手を
想う気持ちや慈しむ気持ちは、
わずかな所作や視線に現れる。


楓は鋭い洞察力で、遼人の
振る舞いを観察していた。

だがその結果出た答えが、
これだった。


「ですから、失礼とは
存じながらも、いくつか
調べさせて頂きました。

あなた様のお父上の事業――
久賀フーズの経営は、数度に
渡る投資の失敗で、近年
悪化しておりますね。

まだ、表面化はしており
ませんが……」


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