『仰せのままに、お嬢様』《完》

「ありがとうございます」


その言葉と同時に、楓さんが
フワリと笑う。


その笑顔は今まで見た
楓さんの笑顔の中で、一番
嬉しそうで、あったかかった。

何だか、微笑み返しながらも
胸がジンって熱くなる
くらい――…。



――楓さんって、本当に
いい執事だな。


出会った頃は男嫌い克服の
ための執事なんて最悪って
思ってたし、楓さんの振る
舞いに困惑することもあった。


だけど今は、側に楓さんが
いてくれないと逆に不安な
ことすらある。


こんなふうに近づくと、
やっぱりまだ緊張するけど。


でも、感じてるのもたしか。
楓さんがいてくれて、
嬉しいって。


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