『仰せのままに、お嬢様』《完》

(楓さん……怒ってる……)


鈍感って言われるあたしでも、
さすがにわかった。

それくらい、楓さんの声には
抑えようのない憤りが
滲み出てるから。


そしてそれが、あたしを
心配する気持ちからの怒り
だってことも――…。


「……ご、ごめんなさい」


あたしは他に言葉がない。

楓さんも、何も答えなかった。


重い空気に耐え兼ねたのか、
香奈枝が気分を変えるように
元気な声で、


「――まあ、今回は大丈夫
だったんだからもういいじゃん!

リリカもあたしも、次からは
もっと用心するからさっ、ねっ」


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